神社とお寺Q&A 〜意外と知らない”あんなコト”や”こんなコト”を教えます!〜

神社とお寺Q&A 〜意外と知らない”あんなコト”や"こんなコト"を教えます!〜

お寺で拍手を打っていませんか?生活の中に当たり前に存在する神社やお寺。
故に「知らなかった」「いまさら聞けない」ことも多々あるはず。そんなアレコレの質問にお答えします!

【Q1】そもそもお寺と神社は何が違うの?

【Q1】そもそもお寺と神社は何が違うの?

【A】お寺とは古代インド発祥の「仏教」の教えに基づいて建てられた、死後の極楽浄土と現世の幸福を願う場所。
神社は日本古来の「神道」に属する、森羅万象の神々が宿る神聖な地で、豊作や大漁、天災からの守護など、日本国、またその土地に生きる人々の安全と繁栄を願い感謝する場所である。

お寺では仏様の像を拝むことができるが、神社では山や岩、木、剣、鏡などがご神体とされているものの、それが神様そのものを表すわけではない。神様のお姿は見えないのだ。
参拝方法も異なり、神社では二礼二拍手一礼が基本だが、お寺では拍手を打たないのが作法。

また神社には鳥居があり、お寺では屋根のある山門が聖域との境界線になっている。
香炉や燭台、鐘楼の鐘、お墓もお寺にはあって神社には無いという違いもある。

気をつけたいのは、「あの世」を管理する仏様と違って、神様は「血」と「死」を嫌うとされていること。生理中の女性や、身内に不幸があった場合は一定期間、神社に行くのを遠慮したほうがよいのだ。

【Q2】全国にある「○○八幡宮」って何の神様?

【Q2】全国にある「○○八幡宮」って何の神様?

【A】全国に4万社以上ある「八幡宮」の総本宮は大分県の宇佐神宮。
「八幡」とは船にたくさんの大漁旗が立てられた様を表し、元々祀られていたのは宇佐氏一族が崇敬した海神であったが、571年に「我は誉田天皇(後に応神天皇)である」というご神託があったことから、応神天皇の化身とされた。

応神天皇は弓術の達人とされており、平安時代に天皇家を祖とする清和源氏が京都の石清水八幡宮を氏神としたことで、武勇の神として多くの武士からの信仰を集め、全国に八幡信仰が広まっていったといわれる。

ちなみに、八幡宮のように「宮」と称されるのは皇室関連や歴史上の人物が祀られている神社に多い。
神社で一番格が高いのが「神宮」で、天皇や皇室と深い関わりのある神様が祀られる規模の大きな神社。
「大社」は明治政府の「近代社格制度」で格が高いとされた出雲大社のみに使われていたが、戦後、各神社の総本社、総本宮が社号変更した例が多い。

【Q3】「狐はお稲荷さんの眷属」ときくけど、「眷属」って何?

【Q3】「狐はお稲荷さんの眷属」ときくけど、「眷属」って何?

【A】「眷属(けんぞく)」とは「神使」とも称され、稲荷神社の狐、弁財天の蛇などのように、その神社のご祭神に仕え、神様の神意を人々に伝え、参拝者の願いを神様に届ける役目を担う存在を指す。

眷属には他にも猿、牛、鹿、兎、狼、鳩、蜂など様々な種類があるが、なぜ特定の動物鳥昆虫などが特定の神社に繋がったのか、その理由も様々で、神話や伝承に由来する場合もあれば、その土地に多く生息する生物だからという場合もある。

狐を例に挙げると、稲の豊穣を守るお稲荷さんのように食物を司る神を「御饌津神(みけつがみ)」と呼んだが、この神名に「三狐神」という字を当てたため、いつしか狐が稲荷神の使いになったという説や狐が稲を食べる野ネズミを襲うことから稲を守る眷属となったという説など、諸説あるのだ。

中には三峯神社のように、1年間ご眷属の狼を拝惜して家を守ってもらえる神社もある。

【Q4】神社の「狛犬(こまいぬ)」の役割は?

【Q4】神社の「狛犬(こまいぬ)」の役割は?

【A】拝殿前や参道の要所に左右「対」で置かれている「狛犬」は、神域に悪霊が侵入するのを防ぐ魔除けの役割を果たしている。

「犬」と称されてはいるが、古代オリエント文明において最強の守護獣として王座などに刻まれていたライオンを起源とする架空の聖獣で(諸説あり)、中国から朝鮮半島の高麗を経て伝わったため、「高麗犬(こまいぬ)」と呼ばれるようになったという。

一般的に、拝殿に向かって右側は口を「阿」の形に開け、左側は「吽」の形に閉じている。対になった阿吽」とはサンスクリット語の最初の音「あ」と最後の音「うん」を表しており、「宇宙の最初と最後」を意味しているとされる。

神社によっては、稲荷神社の狐や、日枝神社・日吉神社の猿、三峯神社の狼など、「狛犬」以外の動物の像が対で設置されている場合もあるが、それらはその神社のご祭神の使い(神使眷属)を像にしたものであって、神域と神様を守る魔除けの役割を果たしていることに変わりはない。

【Q5】「氏神」「産土神」って何?

【Q5】「氏神」「産土神」って何?

【A】かつて日本では、同じ土地に同じ氏姓を持つ一族が住み、一族がお祀りした神様(祖先や守護神)を「氏神(うじがみ)」と呼んでいたが、現代は「住んでいる地域一帯を守る神様」=「氏神様」と解釈されている。

引っ越しする場合は、今の氏神様にはお礼に、引っ越し先の氏神様には「これからよろしくお願いします」と挨拶に行くとよいとされる。日常生活を守ってくださる神様なので、折に触れてお詣りすることでより深い繋がりを築くことができるはずだ。

一方、産土神(うぶすながみ)とは産まれた場所の近くにある神様で、その土地に生まれた子どもの健康と命を一生守ると言われている。

母親が実家に戻って出産した場合は母親の実家近く、病院で出産した場合は病院近くの神社が産土神。近くであれば参拝に行き、遠方の場合は産土神と同じ系統の神様をお祀りしている神社に足を運ぶのでもよい。

氏神も産土神も、参拝しないと祟られるなどということは一切無いので、ご心配なく。

【Q6】お守りの中には神様や仏様が入っているの?

【Q6】お守りの中には神様や仏様が入っているの?

【A】お守りの中に入っているのは、紙や木、布、金属などでできた小さな御札。ここにご祭神や仏様の名前、霊威を表す字や図が書かれている場合もある。

内符は神社の神職や寺院の僧侶の祈祷によって「御霊入れ(みたまいれ)」されているため、神様や仏様の力が宿っているのだ。

授かったお守りは、紐をつけて首から下げる、バッグや筆箱に入れる、財布やスマホに付けるなど、願いに合わせて自分でいいなと思うところにつけておくのが◎。
お守りを複数持っていると「神様が喧嘩する」のではないかと心配する人もいるが、ひとつひとつを大切に扱うのであれば大丈夫だ。

お守りの効力は基本的に1年とされているので、1年経ったら感謝の気持ちを込めて、神社や寺院の「納札所」などにお返ししよう(お守りを授かった神社や寺院でなくても問題ない)。

合格祈願、安産祈願、病気平癒、縁結びのお守りなどは、願いが成就した時点で返納するのが良いとされている。

【Q7】おみくじを引く意味は何?

【Q7】おみくじを引く意味は何?

【A】おみくじは、神様からのメッセージ。
参拝を終えたら、神様に尋ねたいことを具体的に思い浮かべながらおみくじを引いてみよう。

大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶>大凶の順に運勢が記されているのが一般的だが(寺社によっては、大吉>中吉>小吉>吉>末吉>凶>大凶の順のところもある)、結果に一喜一憂する必要はない。

たとえば凶が出ても「今は時期尚早」というアドバイスかもしれないし、大吉が出ても「今は絶頂だが油断するな」という忠告かもしれない。大切なのは、書かれている和歌も含め、おみくじに書かれている内容すべてに目を通し、神様は何を伝えようとしているのかを読み取ることなのだ。戴いたメッセージは持ち帰り、折に触れて読み返すのが◎。

ただ、どうしてもこの運勢は嫌だという場合は、「この運勢を引き取ってください」と神様にお願いしながら、ご神木など、その神社でおみくじを結んでよい場所に結ぶとよい。

【Q8】御朱印集めがブームだけど、ご利益があるの?

【Q8】御朱印集めがブームだけど、ご利益があるの?

【A】御朱印とは神社やお寺を参拝した際に帳面(御朱印帳)に書いていただくもので、一般的に印章と神社・お寺の名称や神様・仏様の名前などの墨書きで構成されている。

御札やお守りと違って御朱印そのものに神仏の力が入っていないので、特にご利益があるというわけではないが、参拝した証としていただく「神仏とのご縁の「記録」なので、大切に保管し見返すことで、お詣りした神様や仏様のご加護を感じることができるだろう。

御朱印帳は文房具店や書店でも売っているが、神社やお寺ではオリジナルデザインのものを購入できる。

御朱印は必ず参拝を終えてから、授与所または納経所に行っていただくこと。
ただ混んでいる場合は、先に申し込みをして御朱印代を納めてから参拝をするのでも良い。

神社やお寺によっては「お寺(神社)の御朱印帳には書けない」と断られる場合もあるようなので、神社用・お寺用と分けておくのがお勧めだ。

【Q9】絵馬って何のために書くの?

【Q9】絵馬って何のために書くの?

【A】絵馬とは、なにかを祈願するときや願いが叶ったお礼として、神社に奉納するもの。
多くは片面に絵が描かれた五角形の木の板で、授与所で戴くことができる。

かつて神様は神馬(しんめ)という馬に乗って地上に降りて来られると考えられており、神事で生きた馬を神社に奉納する風習があったことから、時代が下って絵に描かれた馬、あるいは馬とは関係ない絵が描かれたものが奉納されるようになっても、「馬」という名称がそのまま残っているのだ。

絵馬で祈願する際は、出会いや合格、病気治癒など、神様の力添えが無いと自分の努力だけでは難しいような願いを1つに絞って、より具体的に書くのがポイント。
住所・氏名はすべてを書かなくても、市区町村までとイニシャルだけで神様にはちゃんと伝わる。

じっくり考えて書きたい場合は、一度持ち帰って、後日またお詣りしてから奉納しよう。

この記事の著者

金運プリンセス・まり

金運上昇や金運・幸運・開運に関するカリスマ占い師。顔出しNGのため素顔は明かせないのが残念ですが、某所では知らぬ人はいないほど「さすがだった!正確に当たりすぎる!」と有名。